読書日々 1019

◆210101 読書日々 1019 年賀

 明けましておめでとうございます。
 昨年に続き、おだやかな元日を迎えることが出来ました。
 皆様にはお変わりなきことと推察いたします。
 今年も、旧年中と変わらずのおつきあいいただけますことを、願っております。
 また、わたしたちの子どもたち、孫たちも変わりありませんか。元気にやっていますか。やっている、と確信しています。
 ついでということになりますが、わたしたちの姉妹5人(83~73歳)が健在なことを喜んでいます。

 今年は元旦と読書日記の日が重なったため、以上のような仕儀になったことをお詫び致します。
 それでも、わたしごとですが、1つなりと歳を重ねることが出来たのは、やはり幸運というほかありません。
 1 1昨年、『福沢諭吉の事件簿』(全3巻)を最後から2番目の仕事として仕上げることが出来たことを感謝いたしました。続いて、
 昨年は、2冊の著書を出すことが出来ました。
 1 『知的読解力 養成講座』(言視舎 3月)
 2 『[重層的非決定」 吉本隆明の最終マナー』(言視舎 11月)
 いずれもわたしにとっては欠かすことの出来ない重要な意味をもつ著作と思えます。
 1は、書き下ろしで、「人間とは言葉をもつ存在である」を「現在」に具体化したものです。加えるならば、人間の「本質」と呼びうるものに、「二足歩行」と「一夫一婦制の家族」が入ります。
 論じた中心点は、日本語を自在に使う能力を失えば、日本人ではなくなるということで、日本語で出来上がった「本」を読まない、読み解く力の弱い人は、はたして日本人といえるのか、という問題につながります。
 2は、吉本隆明という日本人は、たんに敗戦後の日本で最も重要な思想家(読解力の持ち主)であるだけでなく、戦後世界で最も重要な、わたしが思うに、最高の思想家なのだ、ということを明快に論じた本です。人間の世界の「歴史」と「現在」をはっきり読み解く道(ウェイ)を明らかにしようとした大衆書といえます。巻頭に、「コロナを開く」等の長目の新稿を加えました。是非一読ください。吉本流儀(マナー)の本です。
 2 わたしの最後の(最後の)仕事として、『三宅雪嶺 異例の哲学』の完成を期す、と何度も書いてきました。
 ところが、昨12月末、出来上がってしまいました。ほっとするよりも、われながらびっくりしてしまいました。「おまえにはもう仕事がないのだ!」といわれたに等しいことなのですから。……

 昨年は、自室の書棚から福沢諭吉関連の書を片付けました。今年は、三宅雪嶺関連書を片付けなければならないのか、と思っています。書棚が「空白」になる、ということは今まで経験していなかったことですので、何で埋めるか、ちょっと不気味です。『日本人の哲学』(全5巻全10部)のあとに、鮎川信夫を読み漁りましたが、さて何になるか? 楽しみですね。
 というような、ある意味では最高の贅沢な気分で年を越してしまいました。ですので、真夜中、これを書いています。つまり、
 やり残した残務整理(?)に取りかかるのか? それとも新しい課題(仕事)を掘り出すのか? 「あれか、これか」ってなかなか楽しいのですよ。

 最後に、みなさまのご健勝と幸運を願っています。
 2021年元旦                           鷲田小彌太・規子
                            0050044 札幌市厚別区厚別中央5-2、4-30、106