読書日々 805

◆161124 読書日々 805
『日本人の哲学』全5巻、稿了
 1日早く、アップする。
 1 11/24/07/30、『日本人の哲学』全5巻全10部、最後の8「人生の哲学」を(「あとがき」を残して)稿了。 寒い朝だ。ひとときの感慨を楽しむ代わりに、明日出す日記のはじめを書いている。75歳までに、刊行し終えたい、そう決意したのは、哲学的幸福論『人生の哲学』(海竜社 2007)を稿了してのことだった。すでに10年たった計算になる。2012年に第1巻を出してから、13年(2巻)、14(3)、15(5)と来て、16年中に刊行とはならないが、17年の誕生日まで、すなわち75までには全巻を出す、という当初のプランは完成する。嬉しい。
 3巻「政治・経済・歴史の哲学」を書き上げた時、便器からの立ちあがり、階段の上り下りにさえ困難を覚えた時期が数ヵ月つづいた。道路を真っ直ぐ歩けない。それでも仕事をやめることはできなかった。午後からの仕事は極力控えた。これが習慣になって、今に続いている。ただし、今年はつらかった。『山本七平』が入ったからだ。是非にも書きたいテーマだった。それで、多少(半年)遅延した。ま、計画を立てると、つねに早く終わる。これがわたしの通則だった。その性癖があってこその、今日の稿了を迎えることが出来た。
 2 ひさしぶりに今夜すすきのに出る。井上さんと呑む予定だ。井上さんの新刊も12月には出る予定。わたしのは今日稿了する予定だった。乾杯というわけになる。女房は、上の娘の出産で、三度目の上京中だ。そんなわけで、肉が食いたい。ま、深酔いはよそう。
 3 TVの調子が悪い。録画が、昨日から、再生できなくなった。いま連ドラで見ているのは、あいかわらず、相棒(新布陣が板に付いてきて、面白くなった)、ドクターX(主役がお疲れ気味だ。生きが落ちている)、真田丸(秀頼、幸村を生き延びさせて欲しいね)、で、IQ246、レディ・ダ・ヴィンチの診断が新しく加わった。IQは真犯人が3回目で分かってしまったが、織田裕二探偵ももう気づいているようだ。それにしても「医療」がらみの番組がよくもこう続くね。レディの吉田羊も、ひどくやつれが目立つ。
 ところで「信濃のコロンボ」の主役がまた変わった。寺脇は、中村梅雀に比べ、数段落ちる。相棒を辞めてから、医者、刑事、弁護士、大学教授(?)等々、いろんな役を演じたが、すべてミスキャストに近かった。この人、知的センスがないのはいいとして、ユーモア感というか、ふっくらしたところがまるで見えない。日本の「コロンボ」はキャラだけで売っているのだから、大ミスキャストじゃない。それに新幹線が開通して、信濃と東京が近くなりすぎたのも、ミステリにはつらい。
 4 8「人生の哲学」では、五代友厚(才助)を紹介した。五代は、薩摩藩士だが、長崎育ちとでもいうべきで、開国派だ。生まれは、福沢諭吉や坂本龍馬と同じで、おそらく薩英戦争の結果(引き分け)、スパイと疑われる中、薩英連結を上申し、実現させた立役者だ。NHKの朝ドラ「あさがきた」の五代役ほどではないにしても、この時代としては、薩摩の尊攘派芋侍ならぬ、あかぬけしたいい男であった。だからということもあって、芋侍に憎まれること甚だしかった。
 五代は、「東の渋澤栄一、西の五代」といわれ、大阪復興のために半生を費やしている。だが五代の死後、大阪は、東洋のロンドン(霧の町)ならぬ、東洋のマンチェスター(煙の都=工業都市)をめざすことになり、江戸元禄期に築きあげた流通・金融センターの地位を次々に東京に奪われていった。(1960年、わたしがはじめて大阪の地を踏んだ時、地獄の煙と見まがうばかりの公害の町だった。)
 それに、この人、悪名を晒した。いわゆる開拓使官有物払い下げの巨魁=政商である、とマスコミや反閥派に袋だたきに遭った。わたしの持論は、このときの払い下げが、まったくのタダでも、ノシをつけて民に払い下げていたなら、道と道民の官依存体質は、よほど薄まっていたに違いない、というものだ。(鳩山邦夫が先日亡くなったが、国土交通大臣になって、日本郵便の「遊休〔ムダ〕資産」を「オリックス」に一括売却する成案を握りつぶした。安すぎるというのだ。これ、五代の時と同じ筆法だ。いまその遊休資産の維持費だけで、いくらかかっているか!?)