◆201030 読書日々 1010 「麒麟が来る」を2回は観る
日一日真冬に向かっている。今年は、冬支度が数歩早そうに見える。何かせわしいね。
コロナ禍でおのずと足が外に向かわない。街に、飲み屋に進まない。ただし「自粛」ではなく「自衛」だ。「自助」の一方策だ。
午前中は、机に向かっている。といってもへばりついているわけでもない。期限の決まった、枚数制限があり、注文で書くわけではない。でも、day by day である。塵は積もるのだ。
1 2012年3月末で退職した時、し終えるべき仕事を決めた。1つでもし終えることが出来ればいいな、と思えたが、幸運なことに、①日本人の哲学、②福沢諭吉の事件簿、を出し終え、③三宅雪嶺/異例の哲学、をほぼ書きあげることができるところまでたどり着いた。全部で7000枚(400字詰め)を超えるのではないだろうか? 何でそんなに書くの、書かなければならないの、と聞かれても、にわかには答えられない。
特殊な事情をあげれば、紙に書かなくなったからだろうね。原稿用紙に書くと、脱稿し終わった後の整理や校正が、書くのと同じくらいの、いやその倍近くの手間暇が掛かった。ところがパソコン(ワープロ)で書くと、9割9分9厘、完成原稿が仕上がり、出版社に送り、即、パソコンのハード機内に収納して the end となる。
2 トイレ本は、宮脇俊三の歴史紀行全4冊①古代史②平安鎌倉史③室町戦国史④徳川家康タイムトラベルの、残る1冊、③である。
室町時代は好きになれない。特に南北朝時代はだ。司馬さんも同じことを、吐いて棄てるようにいっている。だから、戦国史は北条早雲(『箱根の坂』)をはじめ多々書いているものの、足利幕府の核心を突くような作品はない。
南北朝の後醍醐天皇は、一時「異形の王権」として大きく取り上げられたが、日本の皇統を寸断する無謀を敢えて行なったという意味で、異例(anomaly アノマリイ)の天皇であった。対抗した足利勢が、これまた内部分裂で、最後には尊氏と直義(弟)が対立し、直義が南朝につくなどということがあって、尊氏は、結局、直義を殺すというような仕儀になった。
もっとも、足利幕府は、尻尾のほうから見ると影薄きようだが、義尚・義満をはじめ、独裁者というか、独善ぶりを発揮した将軍を輩出している。15代も続いたというのだから、むしろこの方が面白い。
3 お城ブームである(らしい)。城考古学を専門とする奈良大教授がいる。売れっ子である。
わたしでさえ、豊後竹田の岡城址に登った時、その城壁の鉄壁さに驚嘆した。公園になっている城址の周辺には柵も何もない。その先にひょっこり立ってしまった。満開の桜で、かつ周辺の絶景に見とれてしまったのだ。
だが足下にアーチの急斜面がある。竦みつつ後ずさりをせざるを得ない。ガバッと体を投げ出し、這いずろうとしたが、かろうじて思いとどまった。現物客がいるのだ。わたしは高所恐怖症であることを忘れてしまっていたのだった。
NHKの大河ドラマ「麒麟が来る」は面白い。BS4Kを含め、2回は観る。
主演者よりも信長役がいい。なにがいいか? 信長型どおりではない。行儀が良いのだ。脚本家の注文なのかどうかわからない。染谷将太のよさなのか? 日中合作映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2018)で空海を演じているが、わたしには未知の役者だった。
ただしこの大河ドラマ、むちゃくちゃ面白い。登場人物がそれぞれ一様ならざる個性を持って描かれている。その点で光秀役はソンをしている。というか、主役に懸命でありすぎる。ま、脚本家も一筋縄の人ではない。主役はその人形になる覚悟がなくては、いいシーンが生れない。そう思える。