読書日々 735

◆150731 読書日々 735
江戸川乱歩没後50年だそうだ
1 7月は、今日で終わり。蒸し暑い日が続く。乾燥肌症だから、わたしには具合いい。それに夜は、過疎地だから、涼風が吹く。また格別に酒が旨い。
 というわけではないが、8/4~6、巡礼仲間との飲み会で上京する。ちょうど『日本人の哲学5』を書きあげたので、時期もぴったりだが、9「大学の哲学」のほうはゲラが出た。目の前にある。はじめたが、これが進まない。
2 また今年中に山本七平評伝を書くので、ぼちぼちでは間に合わないだろうから、大車輪で読みはじめた。『日本人の哲学』の1と3で、すでにかなり詳しく山本については書いたので、読みはじめたというよりは、読み直しはじめた、といっていい。『聖書の旅』で書かれている場所は、曽野綾子といく巡礼で訪れたところが多い。特に、イスラエルは鮮明に印象に残っている。山本本で、巡礼のやり直しをする。
3 今年の初めからずっと仕事を続けてきた。それで、すすきのに出る回数が半減し、4月に新しい車を買ったのに、ほとんど乗らず、飲む義理を果たしてこなかった。こんなんじゃいけないのでではなかろうが、今日は出ようと思う。ホテルも珍しくとれた。夏場は、バカ高い。観光客がどっと押し寄せるからでもあるが、わたしの行く店は関係ないようだ。閑古鳥とはいわないが、夏枯れ模様。
4 銀座で唯一行きつけの店=スナックがある。Bookで、地下にある、10人も座れば満杯になる、一室だけの店だ。しかし、ゆったり座れる。トイレも階段を降りた突き当たりにあって、独立している。気は楽だが、ただし、安くない。バイブルとは、ビブリア=本Bookのことである。この店で飲むと、石室に入ったような心地よさを味わうことができる。マスターの佐藤さんは若く、気さくで、どんな注文にも応じてくれる。ただし、土日が休みだ。こんどの上京で、訪れることができるかな。宿は新宿だから、銀座は遠すぎるか。
5 ひさしぶりに巨人がDNAに3連勝した。これまで叩かれっぱなしだったので、勝ち方はひやひやだったが、暑苦しい中、ちょっとだけ涼風が吹いた感じがする。それにしても、今年の原は、長嶋監督の末期に似るところが目につく。劣勢に立たせられると、踏みとどまる力を引き出すことができない。阿部や村田の不振はあるが、根本的には、怪我が多すぎる。これはスタッフの力でカバーできる範囲なのだから、事故で済ますわけにはいかない。監督自身の体調がよくないのでは。耐久力と、切り替え力が弱くなっている。
6 佐伯泰英『居眠り磐音 江戸双紙』が、いよいよ大団円を迎えようとしている。全部で、すでに50冊、あと2冊だ。磐音が田沼に「勝つ」ことで、大団円を迎えることになるのだろうが、一人の作家が、堂々、書き下ろし52冊を費やして、一剣客を主人公にして、田沼時代の一断片を切り取ったのだから、見事というほかない。佐伯はわたしと同じ年で、60歳で時代小説本格デビューした。
 時代小説のおもしろさのひとつに、江戸の地名と密接に結びつくことが挙げられるだろう。剣客商売の小兵衛の隠宅は、「鐘淵」に。隅田川が曲ったところで、曲(かね)ケ淵という説がある。武藤山治の鐘淵紡績が建った場所で、後に幸田露伴が住んでいる。
 昨日、江戸川乱歩死後50年特集TV(BS3)を見ていた。「D坂の殺人事件」のDとは、「団子坂」のことだが、Detective(探偵)、さらにはDeathをさすと、高橋源一郎がいう。探偵小説を面白く読むさまざまな舞台裏をさらけ出してみるのも、醍醐味である。といっても乱歩の作品、他の探偵小説の傑作と同じように、ご都合主義的な作品であることもまた事実である。縦縞模様の浴衣などもその一つだ。
 ただしこの番組で、少年ものの作品に登場する、明智小五郎と怪人二十面相は、一対である、むしろ二十面相のほうがリアルで、明智はその添え物である、といわれた。その通りで、もっといえば、二十面相の正体が明智であれば、明智が探偵としても生きた人間である、と証明されることになる。乱歩はなかなかのビジネス上手で、戦後は探偵小説業界である種マネジャー業を本職にしていたようなところがある。松本清張と異なるところだろう。