読書日々 1013

◆201120 読書日々 1013 「私の日本地図」
 昨晩から、季節外れの暖かい日本列島になった。湿度がちょうどいい。
 1 NHKtvの「小さな旅」は特に好きな番組だ。
 おそらく再放送だと思うが、11/19日、宮崎県の北部山岳地帯、河川に削られたV字谷にへばりついた日之影町(人口3500)を、いつものように山田敦子(アナウンサー)が歩いて紹介している。
 90%が山林だ。だが、河川の氾濫を防ぐ高い石壁の他に、水田地を確保するために石壁で囲われた棚田が見られる。年月を閲した凄まじい執念というべきで、鉄壁の城壁を遙かに凌ぐ規模に見える。
 つまり、この町の先人は、すぐ隣の熊本県(肥後)の石工集団の一翼を担ってきたのだ。
 熊本大地震(2016年)直前、宮崎、大分をマイクロバスで巡礼していた。高千穂町に一泊したが、かつては日之影から高千穂まで鉄道が通っていた。高千穂も、ご多分に漏れず、山岳都市で、水害に何度も襲われていた。高千穂線は、40数キロ先の延岡から通じていたが、2005年の台風で寸断され、高千穂~日之影も廃止のやむなきに至った。
 古い地図を見るたびに、嗚呼この線は乗っておきたかった、特に九州方面の路線は、と思うが、廃線に未練があるのはかなり違う。
 2 宮脇俊三『室町戦国史紀行』(2000 講談社 講談社文庫)を読了。
 トイレ本として、これで宮脇歴史紀行4部作を読了。古代・平安鎌倉・室町戦国・徳川家康歴史紀行。宮脇は鉄道、司馬遼太郎はタクシーで歴史紀行。ちょっと「視線」が異なる。
 わたしも地理好き、歴史好きで、ご多分に漏れず鉄道好きだ。ま、宮脇さんにはてんで及ばないが、わたしのは完全なる趣味である。宮崎さんに優るのは、75歳までの車好きだったことだ。もう免許を返納したし、それに未練も無いが、気車でもバスでも、ゆったりと旅したい、とつくづく思う。ま、かなりしてきたが。ただし乗ると、一直線に終点まで行ってしまう。
 宮脇さんは、関西の私鉄のよさを強調してやまない。まさにその通り(ただし阪神・南海電車は例外)である。ゼミ生のY君が、近鉄からJRに転職するがどうか、と聞かれ、やめておいたらといったが、近鉄と阪急は、私鉄の雄だった。それよりもサービスが良い。高速安価それに乗り心地がいい。
 わたしは通勤で近鉄(上本町~伊賀神戸)を利用していたが、さすがに急行といっても、1時間半かかった。山間部に入る途中から、他の交通機関が無くなるので、各駅停車に変わるのだ。それに最終電車にトイレが付いていないのには、閉口した。
 3 宮脇さんが鉄道紀行家だとするなら、宮本常一(1907~81)さんは徒歩紀行家である。民族=常民学者だ。とりわけ離しがたいのが「下北半島」で、これを片手に下北を歩いてみたい。みることができるとは思えないが、幻想というより、少年時代に見ていた情景とダブらせることが可能だろう。ただし、このシリーズ、高価だ。人気シリーズなのに、酷だ。
 いま(愛郷)厚別に住んでいる。昨日、すぐ近くの三里川まで行ったが、ひっきりなしに車が行き交う橋の上に立つと、かつては道路と同じ高さにあった橋が、いまではその遙か下を水が流れている。めまいに襲われた。
 厚別の東はし付近を、厚別川が流れていた。川下地区を環流する豊平川の支流である。米作地帯の厚別に水を供給していた。生命線である。
 三里川は、山本地区を流れる人工河川であった。川下・山本に足を入れなくなって、何十年になるか? もっとも厚別高校(山本地区)へは、大学受験案内で一度伺ったことがある。何もかも変わったような気がするが、何、自分自身がいちばん変わったことも重なっている。