哲学的人生相談(言視社)

哲学的人生相談

〈また1冊、偶然(「注文で」)、著作(書いたもの=ミマイ・ライフ)が加わった。書きたかった本だ。

 はじめて新聞(「社会新報」)にコラムを連載したとき、編集長が、新聞の「人生相談」欄を参照せよ、と助言してくれた。しかし、わたしは、自分の人生上のことに関して、父母姉妹はもとより友人知人、ましてや先輩同僚に「相談」することをよしとしてこなかった。もちろん新聞の「人生相談」を参照したことはなかった。なぜか。

 わたしは、わたしが愛読する書物を「人生論」、我が人生相談書として読んで来たからだ。『論語』や『菜の花の沖』、プルタルコス『英雄伝』や山本夏彦『笑わぬでもなし』、……あれもこれもである。鮎川信夫や鮎川哲也、室生犀星や中野重治、あのひともこのひととも「相談」(対話)するのを常としてきた。

 そんな男の「人生相談」書である。一読、わかる人にはわかる。

 ちなみに、日本版「人生相談」書三傑をあげておこう。兼好『徒然草』、世阿弥『花伝書』、そして仁斎『童子問』である。開高健『風に訊け』もあげたいが、この人ペダンチストである。ま、嫌いではないが。〉(20220206)

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