読書日々 703

◆141219 読書日々 703
民主と維新の「野合」がベストセレクション
1 爆弾低気圧(”bomb” cyclone)の襲来といわれた。しかしわが長沼は多少風が吹いたが、粉雪まじりの晴天であった。外出は控えたが、ちょっと拍子抜けだった。
 それにしてもここ数年の天気予報・情報や地震予報・情報の報道は、平常ではない。「想定外」批判を恐れるのあまり、最悪(以上)を想定してのものだ。CIAは「最悪」と「最善」という結果をつねに想定してプラン策定に臨むそうだ。しかし天気予報は「秘密情報」ではない。バランスのいい取り扱いの工夫が必要だろう。なんども「オオカミがきた!」の触れ込みは、「オオカミ」が実際襲来したときに効力を発しないものだ。「予報」には予報が外れた場合の責任逃れにつながる、看過できない情報ミスや操作が含まれているとしか思えないような情報が見受けられる。
 たとえば、「富士山は爆発しますか?」という素人の質問に、地震学者(?)が「必ず爆発します」と答えた。これは「人間は必ず死ぬ」と同じような答え方に見えるが、違うのだ。富士山と地球が爆発する、はスケールがことなるもだろう。問題は「スケール」(規模)にあるのだ。このスケールを無視した「判断」は信用するに足りない。ほとんど「占い」とつながる。
2 総選挙で自民党が「圧勝」した。報道では議席数は前回に届かず、というような評価をしたところもあった。また投票率が戦後最低だったといわれ、国民は自民政権に「委任状」を渡したわけではない、というのもあった。正しくない。
 ①前回、安倍(293→291)は民主政権の大ちょんぼで大量得点を挙げた。今回、安倍政権は「先制攻撃」をとにもかくにも2年間維持した。希な例である。②民主(62→73)は、大失策を取り戻せなかっただけでなく、取り戻す姿勢もほとんど見せなかった。議席数は増加したが、自民に対抗する力はまったく見られない。議席増加も有力議員の復活があったればこそだ。本当のところ、二度続けて解党的敗北なのだ。民主の牽引であった鳩山も小沢もいなくなった。③維新(41→40)はまだ橋下看板の個人商社の感を免れえない。ただし国民は見捨てなかった。党勢を確実なものにするためには民主との合体しかない。
 エッ、民主と維新の結合は野合(an illegal connection)ではないか、といわれるだろう。「野合」が悪いわけではない。自民の強さは「野合」にある。「原則」(priciple)で結合しているのではない。たしかに「党則」はあるが、たとえば、改憲と護憲に二分されているように、異なった原則をもつことが許されている派閥の集合体なのである。どうして次期政権を狙う野党が「野合」で悪いのか。
 そもそも民主党が、旧社会党右派(横路孝弘)、旧自由党(小沢一郎)、旧民主党(鳩山由紀夫)等の「野合」そのままであり、その集合力で自民政権の失策をテコに政権を取ったのだった。問題は政権を維持する能力が党員多数になかったことだ。小沢以外政権担当に未経験だった。
 ④共産党の3倍(8→21)に近づく議席増は、民主と維新の「減勢」にもとづくもので、真因は「共産主義」革命を奉じる党でなくなったことにある。ま、民主主義社会の「正常」な成員になったということだろう。ただし、一大変身するか否か、まだわからないが。
3 日本経済新聞(デジタル版)に「フォーブズ」誌の論文「日本復活の処方箋 競争激化も人口減も無関係」(John Tamny, Forbes Staff 2014年12月10日)が掲載された。核心的な部分を引用しよう。
 1「自由度の高まっている世界経済で、競争が必然的に激しくなる一方、これは日本にとっては製造業の販路となる市場が拡大していることを示している。繰り返しになるが、これを信じないというのは、かつては貧しかった国々の国民は自分が働いて得た稼ぎを他の国で製造されたモノと交換する発想もなく、世界のためにモノ作りに励んでいると信じることに等しい。」
 景気上昇は、消費指数(GDP)の拡大ではなく、製造とその交易(経済競争)によってきまる。これである。
 2「シアトルは1970年代に人口流出に直面したことで知られる。人口流出はあまりに深刻で、シアトル・タコマ国際空港のそばには「最後にシアトルを後にする人、どうか電気を消していただけますか?」と書かれた看板が立てられたほどだ。
 シアトルは出生率を上昇させて生き返ったわけではない。シアトルが生まれ変わったのは、2人のシアトル出身者、ビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏がマイクロソフトの本社をつくったためだ。……出生率が成長を促すのではない。大切なのは有能な人材と経済の自由だ。
 もしそうなら、……、より優れた政策こそ日本を救う。現在の日本の相対的な弱体化は競争のせいではない。常にどこでも、競争があれば生産性の高い企業はより高い利益率を求めるようになる。日本の弱さは出生率とも無関係だ。日本を苦しめるものは、世界中が苦しむものでもある。多くの政治家が国の経済を構成する企業などに、中央銀行のばらまき(量的緩和)のようなあまりにもひどい処方箋を出しすぎる。」
「日本の課題への答えは非常に単純。すべては政策にかかっている。政府支出の削減、減税、円相場の安定、静かな日銀――これで経済を前進させる力となる生産性のある企業を自由にできる。第2次大戦後にうまくいったことが、今回も機能するはずだ。経済を成長させるのは単純で、政府がつくった障壁を削減すれば実現する。」
 この論調に従えば、安倍政権は、右手で首の縄を緩めながら左手で締め上げることをやっている。そこからどう脱するか、になる。
4 明日、巡礼友の会の有志の忘年会で上京する。雪も風もやんでいる。