..◆131101 読書日々 644
渡辺京二の処女作はすごいよ。美香さん、読むべし
昨10/31、来札された背戸(『理念と経営』編集長)さんとひさしぶりに呑んだ。「鍋でも」という誘いに乗ってくれた。「たぱす」の堤さんが作ってくれた鴨鍋をつつく。「鴨鍋」といえば思い出さずにはおれない。開高さんが亡くなって25年経つ。その葬儀の翌日、背戸さんに浅草の「やぶ蕎」を馳走になった。寒かったのと頭ががんがんして、いくら呑んでも酔わなかった。徳利が卓を一周したのではなかったろうか。しかし鴨鍋は絶品だった。また背戸さんが鍋を仕立てるのが美しく、美味かった。それから鴨鍋を躊躇するようになった。堤さんのは雑多煮で、残念ながら鴨肉のうまさが消し飛んでしまう。でも鍋は美味かった。それに日本シリーズで客がまったくいなかったのもよかった。二人で呑むと自然と声がでかくなるからだ。この店、わたし以外は楽天を応援している。「弱い」チームが好きということだ。
「煌」で唱い、「きらく」にいったところ何と満席である。そのなかに(森山)軍ちゃんが珍しくいた。中田美知子さんも一人で飲みに来た。ひさしぶりに貌つけるように話した。こんな夜もあるのかなと思えるほど楽しい夜である。10時前店を出て、背戸さんと別れ、ホテルの途中にある「たぱす」に寄り道したが、背戸田さんがいた。どうやら楽天が勝ったようだが、ほとんど気絶状態で歯を磨き、ベッドに倒れ込んだ(ようだ)。
先週書いた伝説の編集者小川哲生さんからメールが来て、懇篤な内容と訂正があった。編集者魂というか、「プレスシート」は「B4」ではなく「A4」だという。お詫びとともに、ここに記しておきたい。
11/1 朝早く目が覚め、顔を拭くように洗い、車で帰宅についた。いつもの道と違う、職場へゆくのにいつも通った「大曲」に迂回した。36号線から北広島経由のこの沿道(一見、谷間)は紅葉が美しい。だが今年は馬追山と同じように、残念ながらまだら模様であった。
今夜は言視舎の杉山さんが来る。昼は、井上美香さんと一緒に書店まわり、夜はひさしぶりに「三彩亭」で食事をともにする。背戸さんも誘った。中村公美(道新)さんも来るらしい。今朝ははなはだしく二日酔いなので、あまり呑まないようにしたいが、その場になればいつものように調子よく呑みそうだ。
『政治の哲学』は筆が走り出したのか、結末が見えはじめた。「日本人の哲学4」『経済の哲学』のコンテンツ(目次)がちらちらしてきたのがその証拠でもある。5の『歴史の哲学』のほうは書きたい作家・作品は決まっているが、『大日本史』をどうするか、問題だ。何せ読んでいない。笑える。経済のほうは、江戸期まででほとんどことは済むだろう。
ブレイク中(失礼! 何せ1930年生まれで、開高健と同年だ)の渡辺京二さんの「幻の処女作」と銘打たれた『熊本県人』(言視舎 2012 新人物往来社/1972)は、いわゆる「県民ショウ」的な本とはまったく異なる内容と文体で、存分におもしろい。北方謙三の時代小説「処女作」、『武王の門』(1989)で海洋独立国を狙う征西将軍懐良親王と菊池武光の活躍を読んで感心したが、この本で渡辺さんは「菊池勤王史」を書いている。この本を手にしていたら、もっとうまく北方の本を紹介できただろう。わたしも北海道の「人物」紹介本を出したいと思っている。すでにいろいろなところで書いてきたが、こういうきちんとした本を読むと、出しにくいな。
10/31、千葉剛史さんから作品が送られてきた。開封した。『たった一人の戦争』(210枚)で、「蝦夷地脱走人始末記」第一部だ。2012年道新文学賞に応募し、最終選考に残った作品ということだ。「箱館戦争異聞」とでもいうべき作品はずいぶん読んできたので、読むのが楽しみだ。ただし先走りしてはいけないが、「題名」は最近亡くなった丸谷才一さんのと似すぎていて、損しているのではないだろうか。副題も気になる。