◆150612 読書日々 728
今野敏『隠蔽捜査』シリーズ、原作も、TVドラマも、お奨めします
6月は、いつも不安定な天気の日が続く。堪らないのは、夜にぐっと冷えることだ。ストーブを点火すれば、やはりのことあつくなりすぎる。昨日から持ち直したが、冬用の布団がとれるのは、いつのことか。
1 朝ドラを観なくなった。おもしろくない、ということもあるが、やはり主演の女優に魅力がないからだ。というか、あまりにもがんばりすぎである。
2 先週の日記で、『ロング・グッドバイ』の主演女優カレン・ブラックは知っているといったが、7/7の安田記念(G1)で武豊が騎乗した馬が、カレンブラックヒルだった。6歳馬で、G1レースに勝ったこともある実力馬だが、人気薄だった。直線あと100メータくらいのところで、猛然と追い込む(?)武の姿がちらっとTV画面をかすめた。1、2着が接戦で、カレンブラックヒルまでは0.5秒差だから、大差といえば大差である。でも9番人気で7着というのだから、立派である。先週も、武はきっちり2勝した。
3 「雑知の哲学」はようやく200枚を超えた。7月中にはあがるのではないだろうか。「雑知」はわたしの領域である。「昔は鷲田さん、学術論文を書いていたんですよ。」と揶揄とも賛嘆ともつかない口ぶりで、同僚の教師にいわれたことがある。事実だから仕方ないが、ヘーゲルやカントを(へたくそに)なぞる以外に能のない教師にである。
「純文学」や「純哲」が主脈で、大衆文学や大衆哲学は、傍流で堕落体だという「迷信」がまだまかり通っている。カポーティ(『冷血』)や司馬遼太郎、それに谷崎潤一郎や村上春樹は、大衆に読まれる小説を書いた。じゃあ「文学」じゃないのか。ドストエフスキーやサマセット・モームは、かなりいかげんな作家だが、「純文学」なの。
哲学は「愛知」である。愛し方はさまざまあるが、「ヨルタモリ」でタモリが力説していたように、SとMは表裏一体関係にある。
西堀栄三郎は、QC(quality control)=品質管理論のパイオニアだが、京大理学部(化学)を出たエンジニアで、今西錦司や桑原武夫と同期、「京都岳〔学〕派」(京大山岳部)の主要メンバーである。その名を有名にしたのは、1957年第一次南極越冬隊隊長になったことだ。技術開発と登山、南極越冬という文字通り「創造」の現場で辣腕を振るった「経験」が、西堀哲学(モラリスト)の核となっている。この人、今西や梅棹忠夫と同じように「大将〔ボス〕」である。
と同時に、「大学」外に出て、企業(東芝)の研究・技術畑を歩いただけではない。日本生産性本部の理事となり、組織者(QC運動のリーダー)として活躍し、『南極越冬記』(1958)以下、『創造力』(1990)をはじめとして、誰にでも理解可能な、含蓄の深い著述を残した。その思考の中心にあるのは、「知識」ではなく「知恵」である。
ただし、技術端によくあるように、「懐疑精神」がかなり薄い。それが西堀の強みだが、「常識」の逆をいくだけの「安易さ」を生む結果になる。ま、一種の言葉遊びに堕す場合もある。「一寸の虫にも五分の魂」に対して、「五分の虫にも一寸の魂」などもその例だ。
4 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」が中盤を迎えた。久坂役の背ばかり大きいのは、大根すぎて、あれじゃ久坂も草葉の陰で泣いているだろう。対して、高杉役は、男前すぎるが、ザンキリ頭になって、重しがとれ、よくなった。それにしても低視聴率だ。でもまあ、ドラマの「新日本風土記」だと思えばいいんじゃないだろうか。最近NHKBSばかり観ているような気がする。
今野敏原作のTVドラマ「隠蔽捜査」(DVD)を見直した。3回目だろう。主演の杉村哲太は、原作のイメージとかけ離れていて、ミスキャストかと思えたが、二枚目半役ばかり観てきたせいかもしれない。これは、20代前後の子をもつ(もったことのある)親ならぜひ観てほしいドラマだ。