◆160219 読書日々 494
最新刊『死ぬ力』をどうぞお読みください。
2/17 拙新刊書『死ぬ力』(講談社現代新書 2016.2.20)が届いた。
かつて『「本」はこう買え!こう読め!こう使え!』(大和書房 1996)でこう書いたことがある。
《7 現代新書で学ぶ
●現代新書は役立つ比率が高い
講談社現代新書というのは新書版で安く、親しみやすく、比較して、役立つ本が多いですね。
新書には、古株の岩波新書があります。ちょっと、ぶっています。内容はつまらない本が多い。八割方、つまらないというか、三日ぐらいで書ける本を、一年間ぐらいで書いたような本です。
中公新書。これは、いい本は抜群にいい。学問的であると同時に、誰でも読める本です。中公新書の中には名著がたくさんあります。中央公論社というのは、小さい会社です。小さい会社で、いい本を作って、長く売っていこうという、そういう精神です。岩波は権威で売ってきました。中公新書も、違った意味で、権威を求めています。
ちくま新書、これは新興の新書です。よく売れているけれども、ちくまというのは、よく売れたときは、会社が潰れるときです。気をつけた方がいい。ここの新書の作り方は、岩波と中公の真ん中ぐらいで、したがって、当たり外れがあります。ぼくは、最近ここから1冊出しました。
三一新書、ここは、かつては左翼っぽいという眼鏡でとらえられていましたが、そんなことは少しもありません。新書である必要のないものもあります。コンパクトであるというだけで、特色はそんなにありません、最近は。ぼくはここで5冊出しています。
現代新書というのは、実に、今のビジネスマンが、高校出や大学出に関係なく、あまり勉強しなくても、しかもちゃんと読める本をきちっと作っています。編集者がいいんでしょうね、おそらく。
だから、普通の能力、普通の日本語を使える人なら、現在の日本の社会のもっともビビッドな、活力のある問題を、ずーっと問い続けて出してきたシリーズです。このシリーズは、三分の一ぐらいは読むに値します。これはすごいことなんです。だいたい岩波新書は一〇冊のうち一冊も読めればいいほうで、中公新書は一〇冊のうち二冊、ちくま新書は一〇冊のうち一冊、三一新書は三〇冊のうち一冊ぐらいですから、ものすごい打率のいい本屋です。その中の、三つの項目について、使い減りのしない本を紹介しましょう。》
*冒頭の「現代新書」は「教養」に変えられたが、同じことだ。
その現代新書に、74になってはじめて書いたのですから、喜びもひとしお、といいたいのですが、この新書、最近は力が弱い(なんていっていいのだろうか?!)。
でも、何度も書くが、わたしが最近書く本は、どれもこれも「遺書」めいてくる感を否めない。『死ぬ力』などはまさにドンピシャリだ。いまもまた『読書論』を書いている。八合目あたりまできた。「反」読書論でもある。
人間は「コトバ」でできているのだから、コトバの集積である「本」から離れることはできない。紙の本を読む、デジタル画面で読む、読まないにかかわらず、人間はコトバを使って生きている。その頻度はますます多くなる。機械に弱いといわれた女たちが、スマホをいつでもどこでもいじっている。読んでいるのだ。文章を書いているのだ。速い。うまい。
この本は、わたしの二百何十冊目の本か、調べていないが、書きたいと思って書く機会がなかった現代新書の一冊である。新しい(と自分では思っているが、古くて新しい)問題を扱っている。哲学のメインにあるものだ。ようやくここまで来た。だが、まだこんな所か、ということもできる。
なお、上の娘が、日経新聞の広告を、写メールで送ってくれた。ありがとう!