読書日々 864 

◆180112 読書日々 864
バースは「風呂」で、『最後の刑事』の舞台だ
 正月は、穏やかな日が続いた。一転、昨日から急冷却状態、予報では、これが1週続いて、また穏やかになるらしい。ま、そんなことは、山を離れたいまのわたしには、さほど身に迫ったことではないが。
 1 2階の「部屋」(旧鷲田研究所)から、ミステリ関係の事典を引き出してきた。これは処分できなかった。同じ箱に収まっていた『ブラウン神父』(創元推理文庫 5冊)も引き出してきて、厠上の本として再読し始めた。チェスタトン著作集は、古本屋が持って行ったが、文庫は残した。相変わらず冗長で、それも面白みの一つだが、やはり、福田恆存・中村保男の訳は、古くさい。古いのはいいが、「臭い」のだ。読みづらい。
 昨日、収録したTV、イギリスを歩くの精選版に、バース(Bath)が現れた。「バス」(浴場)で、ローマ浴場のあとを復元し、世界遺産になった都市だ。
 このバースを舞台としたミステリに、ピーター・ラブゼイが、巨漢ダイヤモンド警視を配して展開する巨編シリーズがある。『最後の刑事』『バースへの帰還』などで、これも確か中村保男の訳だった。ま、アメリカンとは違う、あくどいほどにしつこいというか、粘り強い(単独・勝手)捜査を続けるしかも天才肌の探偵だ。
 50代、日に夜を継いで(?!)書いていた時期、無性にミステリを読みたくなり、ならば一夜では絶対に読み切れない未知の作家の作品を、と思い込んでまとめて買ったシリーズだ。ただし全部は読み切れなかった、と思う(手元に本がないので)。締め切りに負けたのだ。
 ラブゼイは、英文学専攻(教授)だ。そのミステリ作品群には、バースに住んだ作家たちの肖像などが出てくる。この探偵、なかなかの文人なのだ。記憶には、ブロンデ姉妹の一人、シャーロットがバースに在住したことがある、とある。ま、記憶にすぎないが。
 2 「北海道のイノベーション」を書き始めた。井上美香との共著で、分担もすんでいる。わたしのほうは、歴史と最新を織り込んだ、イノベーションの核心部分に触れるようなものにしたい、と考えている。北海道は、人間力では、文学(小説・研究)が最先端であり、政治(政治家・道民)は最後尾だ、などと論じたいわけだ。
 そういえば、イギリスを歩くで、日本は人口密度が高い、とイギリス人(中学生?)にいわしめるシーンがあった。北海道は、500万人の線上にある。少子高齢化で2050年には半減する可能性もある、日本が衰退する前に北海道が瀕死状態になる、などという予測を立てる「あほ」もいる。250万で死滅の危機になるのか? それでいて、英仏独がどうやって人口減を阻止したのか、「移民」問題の深部問題は何なのか、に政府も野党も、ジャーナリズムもアカデミズムも、口を閉ざしている。
 その実、対馬の土地が中韓業者に、湯布院が韓業者に、ニセコが濠人に買い「漁られ」「侵略され」ている、と騒ぐのだ。「移民」問題は単純ではない。だが他国の移民制限には口を出して、自国の移民問題には口を閉ざす。これでいいのかね。
 吉本隆明は、国を開く、それが「現在」の革命の基本であると述べた。国家権力の一元支配を抑制するパワーになるからだ。資本主義は、現在、この段階にいるので、日本ファーストとは、この流れに逆らうことではない。もちろん、国家に「壁」はある。一気に開くと、日本が消滅しかねない。開閉のバブル調節が必要だ。調整役が「政治」の役割で、ま、難しいが、明治政府は、とにもかくにも、金玉均のような国事犯でさえ朝鮮政府に引き渡してはいない。
 3 イノベーションは必ず「削除」「除外」「切り捨て」を含む。わたしは、鈍行が好きだ。廃線(鉄路)も含めて、北海道の路線はほぼ全部乗っている。それでも、1日、通学生を除けば、数人という乗車数で、せいぜい往復・朝昼夜の6本というような鉄路は、廃線致し方ない。というか、廃止した方がいい。乗客が僅少なのに、代替設置可能なのに、なにがなんでも公共機関を残せ、というのは、残酷だ。