読書日々 887

◆180622 読書日々 887
巡礼友の「締め」会に参加する
 6/18 大阪(北部)で地震(震度6弱)があった。茨木は中心地だ。70年代の初めそこに住んだが、定職がなく、非常勤・家庭教師で凌いでいた時代だ。超インフレと第一次オイルショックでダブルパンチを食らい、暮らし向きでいえば、前途に「光」が見えなかったときに当たる。そうそう乳飲み子を二人抱えていた。でも若い妻の口からは一言も愚痴がこぼれなかった。何か関西方面で異事が起これば、そのたびごとに、当時のことが生き生きと思い起こされる。
 1 7/1~3、栃木は那須ぼ板室温泉(大黒屋)で、巡礼友の会の「締め」が行われる。1984~2006年、23回にわたる「曾野綾子がお連れする眼の見えない方の聖地巡礼」にわたしが、初めて参加したのは98年(15回)で、新参者の一人として多くの人と出会った。この聖地巡礼が終わった後も、岩崎夫妻を中心に何度か私的グループで「聖地巡礼」を続けた。その「締め」の会でもある。
 90年代の後半から21世紀初頭にかけた「巡礼」の旅は、思いっきり贅沢な西欧思想の旅でもあった。特にイスラエルに3(~4)度訪れた経験は、忘れえない。山本七平の著述や人生をたどる機縁ともなった。
 もちろんこの旅に誘ってくださった曾野綾子さんの好意なしには、こんな盛りだくさんの経験を味わうことがなかっただろう。旅の仲間は、北海道にも何度も訪ねてこられた。
 集う大黒屋は、秘湯板室の「珠玉」であり、室井夫妻、息子の康紀君は20年来の巡礼仲間だ。きよ・みよ・ひろみ・あい・まき・ようこ、大村夫妻を初め、あの人この人にもお会いできる。そう、この会は女性優位で、岩崎・鷲田は小間使いのランクを与えられている。
 2 鮎川哲也のミステリを読んでしまうと、松本清張のミステリの面白みが半減する。同時に清張の「新味」が明らかになる。こう思える。といっても「推理」小説だ。二人の解説を書いている山前譲がいうように、「推理」(mystery=reasoning)である。「神の思考」のことで、尋常はない。神技推理に類する。ただし清張『駅路』(傑作短編集6 新潮文庫)に収録された表題の「駅路」をはじめとする作品はどれも、わたしには「神義=技」とは思えなかった。ま、それでも読めてしまう。えっ、「張込み」ならわかるが、「駅路」なぞなぜ読むのというなかれ。どちらも映像化にぴったりである。それに「駅路」は宮脇俊三のミステリ(この人小説も書いている)にまっすぐにとはいえないが、廃線跡を辿るように、つながってゆく。
 3 板室からの帰途は、気車で帰ることに決めている。退職(2012)して、年1で、汽車旅行(できれば各駅停車)したいと思ってきた。最初は気張ったが、途中、余裕がなかったのか、欠けている。
 ①2012.7.20:古山-旭川-古山 ②2012.8.4:古山-様似-追分 ③2012.8.11:古山-岩見沢-小樽-長万部-東室蘭-苫小牧-古山 ④2015.5:いすみ鉄道 ⑤2016.3:秩父鉄道:東武-西武 ⑥2017.5.22~26:東京-名古屋-津(関西)-名張-伊賀神戸-伊賀上野-亀山-名古屋-岐阜-美濃太田-富山-千歳。200km~2000kmに及ぶ旅だ。どれも思い出深く、忘れえない。
 時刻表をなぞっていると、新幹線ができて、東北本線の在来線は、黒磯-郡山-福島-仙台-小牛田(こごた)-一関-盛岡というように、継ぎ足し運行だ。それが醍醐味でもある。今回は、仙台まで乗り継いで、一気に新幹線で津軽海峡を渡って帰ろうと思っている。ま、どうなるやら。
 4 6/30、言視舎の杉山さんとお会いする予定だ。新刊・井上美香共著『北海道のイノベーション』(言視舎)が刷り上がり、新宿で乾杯といきたいところだ。『最終版 大学教授になる方法』(言視舎)もいくらか売れているようで(もう少しうんと売れてほしいが)、杉山さんには顔がたつのかなという思いで出かけるつもりでいる。
 5 ベランダに、妻が小キュウリを鉢植えしてくれた。それがなった。さっそく数本折ってみる。キュウリの味としては頼りないが、うれしいね。夏の日になりつつある。陽を浴びて、太れ。無理か。