◆200724 読書日々 996 コロナ禍を誰が防ぐの?
昨日に続き曇天。予定通り、シャワーに入る。おおよそこの日記を書く日と決めている。然り、温泉は好きだが、苦手である。というか、苦手になった。
スペインのサンチャゴ・デ・コンポステラまで巡礼の旅(といっても団体のバス旅行)にいって、季節外れの寒波に襲われ、クラカウ(ポーランド)からローマ、ニース、ルルド等、寒冷・乾燥前線上を旅して、重篤の皮膚病にかかり、その痒さで2年間ほどんどゆっくり眠れず、20年経った今も、後遺症が残っている、を理由とする。
1 「にっぽんの廃線100」(再放送 NHK総合 7/18)で、芦原伸(1947~)さんを久しぶりに拝見した。ベテランの旅行作家だ。その芦原さんに、『へるん先生の汽車旅行』(集英社 2014)という傑作がある。「へるん」とはラフカデオ・ハーンのことだ。ハーンの「耳なし芳一」は国語の教科書にも出てきたが、芥川「鼻」と同様、なんだ!と思えた。ハーンのことは漱石との「関係」(?)で知っていたが、ハーンの生涯はまったく知らなかった。芦原さんの著作は意想外のもので、ハーンの趣向や生き方を知る上で欠かせないものだ(と思える)。
竜馬に「北方」志向があり、それが北海道開拓への夢につながるという、「伝説」(虚言)がある。まことしやかに、南は鹿児島から北は北海道の竜馬伝記者やフアンに強くある。たしかに坂本一族は、北海道に強い縁がある。その血流は今も北海道で活躍されている。
しかし竜馬は「寒がり」で、その点「南方志向」のハーンと同類だ。ハーンはギリシアはアドリア海、レフデカ島生まれで、寒いダブリンからアメリカに流れ、カリブ海まで流れ着いたジャーナリストであった。その彼がなぜ日本に来て、島根の松江に理想郷を見たのかが、とんと分からなかった。しかしその謎が、芦原さんの手によってみごとに解き明かされていたのだ。
誰が知る、ハーンは「理想郷」松江を、1年もたたないうちに撤退し、熊本(五高)に移っている。「寒さ」に耐ええなかったからだ。竜馬が暗殺された季節を思い起こして欲しい。ぜひ拙著『寒がりやの竜馬』(言視舎 2015)を一読されたい。
2 その芦原さんに刺激され、『どんこうにっぽん縦断』(枻〔えい〕出版社 2011)と『にっぽんの名宿・旅籠・秘湯の旅287』二見書房 1990)を購入した。芦原さんは北大(文)卒で、わたしも乗ったローカル路線も丁寧にたどっている。また後者にはわたしが長く行きつけの板室(黒磯)の秘湯、大黒屋が出てくる。どちらも観光案内本で、『へるん先生……』とは異なるが、コロナ禍の中、楽しんだ。
2 そのコロナ禍のことだ。
①コロナ禍は、新型ウィルスのワクチン(免疫原)を開発し、実用化し、大量配布できないかぎり、終息しない。(中がコロナ禍を「克服」したというのは、この意味で、真っ赤な嘘である。)
②コロナ禍が終息するまでの間、一番重要なのは、生き延びることだ。発症しない注意をすることが第一だが、第二に、しかし最も重要なのは、発症したら、より早い段階で治療を受けることだ。これは多く個人の努力に属する。
③政府(自治体)は、死者・重篤患者をうまない、を基本とする。この点で、日本政府は最もスタンダードな道を歩んでいる。ま、試行錯誤はありつつもだ。これは世界が倣うべきだろう。
④エッ、「命」のほうが「経済」より大事だって。経済も命も太くつながっている。経済が(大量・長期に)止まれば、命も止まる。当たり前じゃないか。経済は、長期に止めるわけにはいかない。
⑤よく「私権」の制限が問題になる。「基本的人権」は侵害してはならない、だ。(共産ロシアにそもそも基本的人権はなかった。共産党独裁のチャイナは大幅に基本的人権を制限している。)
だが「基本的人権」とは何か? 「個人の生命と財産の不可侵」のことだ。しかしこの権利は、天与のもの=先天的かつ無条件に与えられているわけではない。個人の生命と財産は「不断」に侵害されてきたし、今も侵害されている。あなたもしていないか? あなたがウイルス感染すれば、他の人の生命を危うくする。わたし(鷲田)もだが。
日本は、帝国憲法も、日本国憲法も、基本的人権を保障している。ただ大きな違いがある。後者に、納税義務(財産侵害)はあるが兵役義務(生命侵害)がないことだ。国民の生命と財産の不可侵を「なに」(誰)が保障するのか? 国か? 国を防衛する義務が国民にないのに、だれか? 自衛隊員は「雇用関係」だ。職業選択の自由にもとづく。……