鷲田小彌太 書評集成Ⅱ[1991-1997]失われざる1990年代(言視舎)

9784905369134

時代の無意識にふれる! バブルが弾け、湾岸戦争が勃発し、社会主義圏が崩壊した90年代の前半。高度資本主義が未知の領域に達するなか、日本社会は阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、金融システムの危機、グローバル化に揺れた。本を通して混迷の90年代を読む。

【書評はわたしの仕事の重要な要素である。思考を鍛え直してくれる貴重な「道場」でもある、しかしあまりにも急激に仕事を書評がやってきたのである。どんな「注文」も断らない、これがわたしの定則である。追われ、追い詰められる事態が生じた。追う恋はどんなに困難でも心が弾む。追われる恋は疲労困憊する。ひたすら仕事を追うことにした。心が軽くなった、だれかに揶揄していわれたように、わたしの「バブル期」がはじまった。まえがきより】

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まえがき
【Ⅰ】九〇年代的言語空間へ(1991~1997年)
1 中野美代子創作集を読む
2 孤独と背中合わせの性愛
3 鶴見俊輔を読む.
4 批評としてのテレビ時評
5 時局的と同時に普遍的な主題
6 贅沢な文学講義
7 湾岸戦争以降を大胆的確に予言
8 現在から未来への道
9 吉本ばなな 作品の主人公が窓にもたれているよ」
10 甘えの共同体、大学社会主義の解体へ
11 現代日本マルクス主義の困難さ
12 ソ連社会主義の崩壊とアメリカ自由主義の没落の後に
13 暗い学的情熱
14 ”自分さがし”の留学の記
15 人格の分水嶺を描ききった記念碑的作品
16 中沢新一の「新レーニン論」
17 山崎正和『近代の擁護』を読む
18 リアルで緊急な問題に答える
19 ヨーロッパを震撼させた信長
20 日本人は、いつ、どのようにして日本人になったのか
21 究極の大学講義 脱帽的に納得―本を読まない学生諸君この本だけは読もう
22 忍者と忍術のルーツは?
23 未婚化、晩婚化、少子化の行方
24 大変な時代を日本と日本人が生き抜く方式
25 戦後思想の初演出者の証言
26 霧たち消える国の住人たち
27 生命の存在様式「超システム」によって人間とは何かを探る
28 脳の比較解剖学の成果 飼育関係者との信頼関係こそ成功の鍵

【Ⅱ】知のあり方を読む(1992~1994年)
1 大冊に漲る朗らかな断定
2 哲学家と探偵
3 尾瀬路迂とは何者か?
4 谷沢永一による「長谷川学」
5 失われた人間を求めて
6 「知識の見取図」とは
7 「教育者」の手ぎわ
8 教育から逃避する「聖域」の住民
9 「最先端」と「最も厚い層」との融合
10 「「党」と「主義者」との間
11 「一途」で「一貫」の人

【Ⅲ】 政治・経済・社会の変容(1993~1997年)
1 成熟した思考 「バブル」の後に読んでもらいたい本」
2 政治に憑かれる人たち 現代政治を楽しんでみよう
3 人に会う楽しみ 人と人とがだんだん遠くなるなかで
4 いま勢いのいい小説を選んでみたら、女性作家の作品ばかりになってしまった
5 いま北海道産が元気だ! 多面的なテーマと手法
6 いま、日本はどこにいるのか、どこに向かうべきなのか?
7 政治改革のつぎは官僚改革―官僚天国は国民の墓場だ
8 秋はちょっと学問的に 思考とは果てのない旅だ
9 日本社会が陥っている隘路と、隘路からの脱出口を探る本
10 昭和の「時代」と個人の「歴史」を総括する方法を教えます
11 すでに起こっている「大変化」を理解し、活かすための案内版12 国の興亡の歴史をたどれば、成功と失敗が逆転する
13 歴史のベールをはがしてみよう仰天すべきシナリオが現れる
14 ”大学で何を学ぶのか”から抜け落ちた議論を拾ってみれば
15 これより外なき出版屋・読書人・著者に書物の来歴を訪ね
16 お父さん嫌いです―この声を受け止めるところから始めよう
17 奇人の魂が乗り移った作品に出会ったとき、どうなる
18 社会と生活を情報化することにどんな可能性があるか

【Ⅳ】 古いことと新しいこと(1994~1995年)
1 思考のヒントに満ちた二大戦後思想家の対談
2 高度消費社会を生き抜く実践的プログラム
3 出版にまつわる興亡を鮮やかに活写する
4 自由競争を生き抜くために迫られる日本の自己変革
5 倫理的判断の手引書たるバランスのよさ
6 独自の問題意識により日本を縦横に論ずる
7 蘇った戦後政治思想の金字塔
8 日本の国防意識に正面から論争を挑む
9 日本SFの未来を切り拓く熱い意気込み

【Ⅴ】 コンパクトに根本問題を(1994~1995年)
1 日本の先端技術の現在
2 「百姓」とは何か
3 集団主義の弊害を明るみに出す
4 面白すぎる荒俣の新日本学
5 知恵と知識の満載された本
6 日本は、第二の敗戦を迎えている
7 時代小説を読まない人は……
8 日本文芸の要、俳句が分かる
9 タフでジェントルな政治を
10 留学を考える人のために

索引
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