◆151218 読書日々 485
ススキのミニ参詣
1 2015年もあと2週間なくなった。あるいは、2週間弱もあるというべきか。久しぶりというべきか、年齢相応というべきか(べきかの連続で)、一本余分の仕事が入ったので、予定変更が生じ、締め切りに間に合わなくなった。正確には、スタミナ切れで、時間配分は間違わなかったが、身体機能のほうが受け付けない状態になった。これも初めてである。
どんなに飛び入り仕事が入っても、前のめりになってこなしてきたつもりだ。間隙を縫ってススキノで時間を浪費できた。自己満足の極みを通してきた。一年に一度、巡礼旅行にいかせてもらえた。ヨーロッパは、どこで飲んだ酒も旨かった。ドイツには行けなかったが、一度、15年前、ポーランドのクラカウからスペインの西端サンチャゴまで、欧州を横断したことがあった。寒さと疲労でからか、否、飲み過ぎがたたったのか、重篤な皮膚病をもらって帰り、いまだそのかゆさで苦しむことがある。だが、トータルでいうと、もちろん、夢のように楽しい旅の連続だった。この「記憶」はきっと書き残して死にたいと思うが、ま、それは自分の楽しみにとっておこう。
2 12/17 べた雪だ。予報では、寒波襲来ということだったが、あいかわらずあたたかい。今年のツケは、今年中にという口実で、大蔵卿に「現金」を割り増にしてもらったが、払ったら財布はスッカラカンになった。ススキのに行こうにも、もう、足はあるが、お足が足りない。
厚別の自宅に車を置き、誰もいない部屋で、古いTVに内蔵されていた録画を観る。ポアロの「象は忘れない」という、ドラマ内容も濃密だが、「象」=人間が内蔵する雑雑たる記憶のなかから、事件の鍵を握る「真相」の一部(ピース)を拾い出し、組み合わせるという「探偵」技術の王道をいくものだ。スーシエのポアロは、鬼平の吉右衛門とは違って、年を重ねるごとにシャープになる。おのずと怖ろしくなる。吉右衛門の鬼平は、丸くなり、たるみ、思考の速度も体の動きも、鈍くなった。千恵蔵や錦之助は、あるいは藤田まことさえ、老成し、鋭さを増した。
すすきのに出た。雪まじり雨なのに、街は人で一杯だ。「タパス」を皮切りに「煌」「かまえ」「きらく」といって、ホテルに帰る道筋で、「鳥丸」に入ろうとしたら、早々と店じまい。ただし、カウンターでマスターがぐい飲みを傾けている。しばし酒を飲み、ゆっくりと奥さんを交え、話し込む。ホテルに戻ったが、あとは朧。でも、きちんと歯は磨いて寝た(ようだ)。
3 12/18 外はかなり雪が積もっていた。厚別に車をおいてきて正解。久しぶりというか、20年(?)ぶりに、満員電車に詰め込まれた。雪を踏む。除雪車が道を塞ぐ。車の雪を振り落とし、滑る道を低速で走って、長沼に向かったが、北広島にはいると、積雪は一気に減り、自然とスピードが出た。
4 「かまえ」には、30年前、和田由美さんに連れていってもらった。マスターが俳優道に突き進み、上京したが、戻ってきて、飲み屋を始めた。紬ビルにあった頃は、口開けか、夜遅く、足を止めることがあった。由美さんの『札幌酒場グラフィティー』(亜璃西社 2008)には、同ビルに登録されている。しかし数年前、訪れたが、閉まっていた。つぶれたのか、と思ってきたが、第4藤井ビルのエレベーターに乗ると、「かまえ」とある。珍しい名だ。6階に昇って、ドアを押すと、マスター(俳優兼業)がいた。由美さんたちもくるという。実に殺風景というか、客が来そうにもない店の貌だ。同ビルに店がある「煌」のママを呼んで、しばしビールで歓談。どんどん行動半径が縮まる。「きらく」では森山軍次郎と会った。(途中、6階の店に顔を出そうとしたが、休業中。)客はほぼ満席で、ママ(妹)はこの年末は元気らしい。
というわけで、またもや酔っ払い記になったが、ご勘弁を。できれば、お足を足してもらい、年末に、もう一二度ススキの参りを果たしたいね。可愛い念願じゃないか。