鷲田小彌太の主著!!
「日本人の哲学」を書こう、書かなければならない、書けるにちがいないと思えることができたのは、65歳を直前にしてであった。いま『日本人の哲学』の第1部「哲学者列伝」を出すことができた。ようやく75歳までに残る2~10部(全5巻)の完成に目途がたったのではという思いにたどり着くことができた。現在、最難関の(と思える)第2巻の「文芸の哲学」と格闘中である。厳しくもあり、面白くもある日々を送っている。
この全10部の完成を見ることができれば、我が研究人生に悔いなし、そのごは余滴である、といいきっていい。(あとがきより抜粋)
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総序
第1章 戦後の哲学者たち
0 「戦後」思想とは?
§1 勝利した思想
§2 マルクス主義と非マルクス主義の間に
第1節 吉本隆明―戦後思想の代名詞
§1 吉本は、戦後最大の哲学者である
§2 吉本は「言葉」=「幻想」の理論をその基本におく
§3 吉本はその時代の「先端」と「最重要」問題に挑戦し続ける
§4 日本人の哲学を模索する
§5 思想家としての「最低」条件
第2節 小室直樹―アノミーの政治哲学
§1 哲学の勝利 ロシア社会主義(旧ソ連)の崩壊を理論的に「先見」した思考の「爆力」
§2 小室の思考の「道具」は、「最高」で旧式
§3 小室の思考の核はイデオロギー論であり、「アノミー」論である
§4 荒廃したアパートの哲人
第3節 丸山真男―戦後思想のチャンピオンといわれて
§1 日本=超国家主義なのか?
§2 丸山の思考法に見られる「詭弁」
§3 丸山真男はマルクス主義者をめざした
§4 丸山真男の「魅力」
第4節 司馬遼太郎―日本人とは何者か
§1 日本人の「典型」を描く 「日本人」の発見
§2 「思想」とはなにか
§3 世界水準の日本人
§4 「人間通」の人
第5節 山本七平―戦後日本の異例の良識.
§1 異例の人
§2 「賢者」と呼ぶにふさわしい人
§3 「常識」の人
§4 「異常」体験者
第2章 戦前の哲学者たち 敗戦から明治維新まで
0 戦前の哲学者の概観
第1節 石橋湛山―自由主義思想の奇蹟
§1 「大日本主義」批判──戦間期の思考
§2 自由主義の陥穽
§3 剛直な人
第2節 柳田国男―日本資本主義の蹉跌
§1 「洋学」から学んで
§2 民俗学の思考
§3 大衆をはげます思想
§4 「郷土研究」の科学の蹉跌
§5 「泥田」と成城との間
第3章 徳富蘇峰―富国強兵論の論理と心理
§1 明治の知識人の「資格」 漢学と英学
§2 ジャーナリスト 新聞人の特殊な地位
§3 日露戦争の衝撃 日本近代史の変革
§4 『近世日本国民史』全一〇〇巻の起案と完成
第4章 三宅雪嶺―哲学的百科全書家の奇蹟
§1 哲学者の典型的な行路
§2 哲学の体系
§3 哲学の真骨頂
§4 フリーランサーの生き方
第5章 福澤諭吉―民権論と国家論の緊張関係を生きて
§1 洋学の思考
§2 「私立活計」
§3 オーソドックスな国家論
§4 「家長」の生き方
第3章 江戸後期の哲学者たち
0 江戸後期の概観
§ 諭吉の儒学
§ 仁斎から一斎へと続く
§ 在野の学
§ 石田梅岩 大衆の哲学
§ 世界標準に達する
第1節 佐藤一斎―江戸儒学の絆は一斎に集約される
§1 『言志四録』
§2 論語には「禁止」の句は一箇所もない.
§3 門閥を排する
§4 生涯を一アカデミシャンとして
第2節 山片蟠桃―実証精神にあふれた独創的な百科全書哲学
§1 向学心 蟠桃と忠敬
§2 『夢の代』 哲学的エンティクロペディ
§3 実証的な精神
§4 「蟠桃」、麻田剛立、松平定信
第3節 富永仲基(なかもと) ―イデオロギー批判の一般論理を案出した世界標準哲学
§1 支配思想=三教の根本的批判
§2 支配思想・徂徠学の批判
§3 加上の論 イデオロギー批判の論理
§4 市井の一知識人として生きる
第4節 石田梅岩―心の本性を知れば、善く生きることができる
§1 平民の哲学
§2 『都鄙問答』 「心」の哲学
§3 商道の哲学
§4 石門派の隆盛
第4章 江戸前期の哲学者たち
0 江戸前期の概観
§ 「文」の自立
§ 日本人の儒学
§ リアリズム
§ 有用学
§ 朱子学の興隆理由
§ インディペンデント
§ 「勤労」の哲学
第1節 萩生徂徠―政治と道徳、学と文芸の統合を図る
§1 古文辞学 朱子学から反朱子学へ
§2 道徳と政治
§3 文芸の自立
§4 日本のマキャベッリ
第2節 新井白石―学問の師となることで幕府の最高顧問になる
§1 「天下有用の学」
§2 歴史主義
§3 情報の達人
§4 人間万事塞翁が馬
第3節 伊藤仁斎―『論語』を人間本性学として読みきったフリー・シンカー
§1 学問とはなにか?
§2 人間本性学
§3 古義学の特徴
§4 古義学派
第4節 鈴木正三―勤労こそ仏なりと説きに説いたプロパガンダ、日本のカルヴァン
§1 日本資本主義の精神の先駆者?
§2 一仏三徳
§3 四民日用
§4 果断で稀なプロパガンダ
第5章 中世期の主脈
0 鎌倉室町期の概観
第1章 世阿弥―至高の美や芸に達しても、稽古に変わりはない
§1 なぜ「現代的」に読めるのか? 人生論
§2 花は心 「初心」とは
§3 種はわざ(態) 理念と実行
§4 独創と困難の人生 最善を尽くしても、成功しない場合がある。流れが変わるまで、待つしかない
第2節 北畠親房―皇統はいかにすれば守ることができるか
§1 歴史論 『愚管抄』と『神皇正統記』.
§2 皇統論
§3 「正直」にして通俗(ポピュラー)
第3節 吉田兼好―モラリストを超える人間通の精髄
§1 『徒然草』の意識と受容
§2 人間本性論
§3 冷徹な観察者
第4節 親鸞―宗教の名による宗教の否定、あるいは「信」の構造の転換
§1 浄土教とは
§2 「悪人正機」 浄土教と浄土真宗
§3 他力本願の構造
§4 「非僧非俗」を生きる
第6章 古代期の主脈
0 平安・奈良・大和期の概観
第1節 紫式部―日本文学の成立、あるいは時代小説の可能性
§1 物語の成立
§2 光源氏物語 歴史と小説
§3 「反省の書」
§4 紫式部と和泉式部
第2節 空海―最新の教義を持ち帰って、世界最新最高の教えと宣揚する
§1 最澄と空海
§2 密教の構造
§3 日本化された密教
§4 伝説 即身成仏を説いて頂点にのぼる
第3節 日本書紀
§1 「歴史」とは
§2 「聖徳太子」とは?
§3 「日本」最初の自画像
§4 『日本書紀』とどう向きあうか
あとがき
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